地上の花、天上の色


大谷美術館に「蜷川実花ー地上の花、天上の色」展を見に行って来た。

ニナミカの写真を展示で見るのは初めてだったんだけれど、やっぱり本とかじゃなく大きなサイズで見せられるといいですね。粒子感とかがグッときます。でも、写真が良いとか悪いというよりは不思議な感覚を植え付けられるような、そんな感じの展示でした。

作品は大枠でA〜Iの9つに分けて展示されてました。
大雑把にまとめると、下記のような感じ。

A 花(ガラス透過)
B 花
C 初期作品
D 金魚
E 造花
F 人
G 旅
H ポートレイト
I 新作

前からあちこちで見る事のあるB,D,Eはシンプルだけど、良い展示だったと思う。
写真一枚一枚がどうというよりも全体で見せた時の、脳裏に元々あるイメージをスッとかすめとっていくような、イメージの中の淡い蒼さを定着させたような、光のような生のような死のような、なんとも言えない感覚に陥るというのか、錯覚をおこすというのか、そんな感じが良かった。その中にCの初期作品やポクないメキシカンな装飾を施した額に入った変わった写真類が有るのもなんだか分からないけどその感じが良い感覚を与えてくれた。

Gの旅についてはどちらかというと上記と違って一枚一枚見つつ、だろうか。
撮った側には数による記憶の定着等も有ると思うが、見てる側としては実際に行ってるわけではないのであまり入り込める写真というわけでもなく それぞれ別個に好きだなとか、あんまだなとかを見るしか無かった。そうなると、確かに色はニナミカなんだけど、だから何?って言われると元々写真の善し悪しや巧い下手が大して分かるわけでもないので、ちょっと考えてしまう。普通の旅行スナップと何処が違うん?てところで。どういう見方をしたら良いのかね?まあ、好きに見れば良いのだろうけど、写真を見る時は自身が分からないということもあって、そこはやっぱり ちょっと気になってしまう。

そしてF,Hの人、ポートレイト。どうして分かれてるのかはよく分からないけど どちらも有名な女優俳優アイドルモデルさん達。彼ら、彼女らが極彩の衣装やアイテムの中に居る写真。
作者自身「私は劇場を用意する」みたいな事を書いてるんだけど、ほんとにそんな感じ。けど それって彼ら彼女らじゃなくて誰でも良くないだろうか、むしろそこまで自分の写真感を出すんなら誰も知らないような人達の方がかえって良いのではないか、という少々の疑問。
その中でも清志郎とかは全然違和感無くむしろ格好良く写ってて眼をひきました。実はたいしてキャラ立ちしてないアイドル等としっかりした存在感を持ってる人物を見分けるのには良いなぁなんて思ったり。…ポートレイトするんならニナミカ色は残しながら、もうちょっと其の人が出る感じにして欲しかったなぁ。
ま、ミーハーな眼で見てしまう部分もあって嫌いじゃないんですけどね。綾瀬はるかとかアッキーナ激可愛ス!みたいな、そういう見方をしてしまうわけですが。それでええもんなのか…

Iの新作達については、未だなんかパラパラとしている印象があって、コレからまとめられていくのかな、という感じです。コレはただ単に個人的な好みになってしまうのかもしれないけれど、このパラパラを再咀嚼してシリーズにまとめて全体で魅せていく形にしていければより凄みが出るような、そんな気がしました。肉、肉、肉…
この後、どんな風になっていくのかを見てみたいです。そういう過程を追っていくのも展示を見ていく上では面白く、そして大事なのかもしれないですね。


パラパラ書き散らしましたが、端的な感想としては、すごく良かったよ〜!ていうのとは少し違うけれど、全体を通して嫌いじゃない(フラグ的な意味でw)展示でした。
見ておいて損は無いかと。

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